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INTERVIEW

第2章監督:田口智久、第3章監督:元永慶太郎対談インタビュー

まず最初に、お二人の『ペルソナ３』との出会いをお伺いしたいと思います。

元永: 劇場アニメの話を聞く前から、ゲームとしての「ペルソナ３」の存在はもちろん知っていましたが、作品に関わるの際に先入観を持つのを避けるためあえてプレイはしませんでした。ただ、とても人気のある作品だということは知っていたので、自分に話が来たときはびっくりしましたね。
田口: 僕の場合は、TVアニメ『ペルソナ４』の頃からの流れで、劇場アニメの際に声をかけて頂きました。もちろん原作は知っていて、一通りプレイしました。

元永監督、第2章をご覧になった率直な感想をお願いします。

元永: 作品への愛を感じました(笑)。これは第2章の重要なポイントの一つだと思うんですけど、男性キャラの熱い『友情』の描き方が良かったです。

第2章から第3章へ物語が進むなか、お二人で打ち合わせなどされましたか？

元永: 各章ごとに監督が代わることによって、それぞれの色を出そうというコンセプトなので、打ち合わせはしていないんです。第1章、第2章の本編やシナリオ、コンテにはしっかり目を通しているのですが。
田口: ただ、ペルソナのスキルの描写については、それぞれのスキルを作中ではこんな感じで描いていますというのは引き継ぎました。
元永: 田口監督に『こんな感じで』と引き継がれたので、『それ以上のことをやってやろう！』と意気込んでたら、コンテが大変な内容になりました。コンテをみた現場のスタッフはペルソナを出して僕を攻撃してきましたけどね（笑）。そういった意味では、第2章の存在や田口監督とのやりとりが大きな刺激になりましたね。「負けられねえぞ」と。

第2章の最後に登場した望月綾時は第3章でも鍵になっていくキャラクターだと思いますが、
彼を描く際に気にかけているポイントはありますか？

田口: 第2章では最後に少しだけ出てきましたが、第3章への期待を膨らませる、第3章へのパスの意味を持つ重要なカットになりました。
元永: 結構他人にズケズケと踏み込んで行くキャラクターなのですが、嫌味にならないように描いています。友達にしたくなるような、良いキャラクターですよ。

第3章のアフレコ現場の雰囲気はいかがでしたか。

元永: 既に第1章、第2章のアフレコ収録したキャストさん達でしたので、安心して臨めました。ベテランの方が多かったので、こちらの要求する演技にも、すんなりと対応して頂けました。

第2章のBlu-ray&DVDの発売も近づいてきました。改めて第2章の見どころや監督がこだわった点を教えて下さい。

元永: 男性キャラの水着でしょ？(笑)
田口: そこは、原作に忠実に描いただけですよ！確かにあの水辺のシーンは描いていて楽しかったですし、興奮しました。
元永: それに負けないように第3章の温泉のシーンはがんばりましたよ。
田口: あのシーンはめちゃくちゃ面白かったです。
元永: 田口監督に負けたくないという想いだけで、頑張りました(笑)。アニメで海を表現するのってとても難しいんですが、第2章では綺麗に描かれていましたね。
田口: ありがとうございます。あとは色にはこだわりました。花火のシーンなども見てほしいですね。散々撮影さんとやり合いましたが…(笑)。「ペルソナ３」の現場では撮影のスタッフもとても頑張ってくれていて・・・。天田のお墓参りのシーンの空の動き、あのシーンって実はセルはほぼ止め画なのですが、撮影であれだけ表現できるのはすごいですよね。

制作時の面白いエピソードがあれば教えて下さい。

田口: 第2章の冒頭シーンのバトルアクションはラブホが舞台なんですが、一人でカメラを持って行って3時間撮影し続けました。勿論領収書も切りました（笑）
元永: 先ほどの話にもどりますが、ペルソナのスキルをいかに表現するかを考えているとき、両手に人形を持って位置関係など色々考えていたら、飼っている猫が悲しい目で僕を見てました・・・最近は1人部屋に籠って考えるようにしています（笑）

今後、ここは見逃せない・注目して欲しい、といった点がございましたらお教え下さい。

元永: 理の心の動きですね。そして、あっと驚くことが待っていますよ。
田口: それぞれのキャラクターの掘り下げがされていきます。そういうところに注目して欲しいです。

最後に、ファンの皆様へメッセージをお願致します。

田口: 第3章のコンテを見た時に素直に『おもしろい！』と思えました。正直悔しいぐらいでした。実は元永さんのコンテも研究しましたよ。
元永: 僕へのメッセージみたいになってるじゃん。
田口: （笑）。3月11日には第2章のBlu-ray&DVDが発売されますが、劇場で上映されたものよりも画もグレートアップしていますし、約4分の未公開映像などの収録もあります。真田と荒垣の関係性がよりわかりやすくまとまっていると思いますのでそこにも注目してご覧頂けると幸いです。また、第3章についても、すごいフィルムになっています。最初からアクセル全開で、単純に凄いと思いました。
元永: 第3章は第1章・第2章とは少し違ったトーンになっているのかなと思います。キャラへのアプローチも若干違いますし、アクションもより激しくなっています。楽しみにして頂けると幸いです。

※このインタビューは2014年12月28日発行　メーカー横断アニメガイド2014WINTERにて掲載されたものです。